米マサチューセッツ州ダンバース
(ビジネスワイヤ) — 経皮的左室補助装置(PVAD / Impella)使用下で経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた非緊急の高リスクPCI患者2万1848人を対象とした研究で、Impella補助下でPCIを施行された患者は、大動脈内バルーンポンプ(IABP)補助下でPCIを施行された患者と比較して、死亡率および合併症発生率が低いことが実証されました。この研究はAl-khadra医師らによりCatheterization & Cardiovascular Interventions誌の2020年2月15日付印刷版に報告・掲載されました。
本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。:https://www.businesswire.com/news/home/20200311005393/ja/
Figure 1 (Graphic: Business Wire)
本分析では、Impellaコホート対象患者はIABPコホート対象患者に比較して疾患の重症度が有意に高く、より高齢で、高血圧、糖尿病、高脂血症、PCIの治療歴、冠動脈バイパスグラフトの手術歴、貧血、慢性肺疾患、肝疾患、腎不全、末梢血管疾患合併も高率に認められました。
図1で詳細を示すように、併存疾患率が高いにもかかわらず、研究者らは多変量ロジスティック回帰分析(n=21,848)を使用した結果、Impellaを使用した患者においてはIABPと比較して、下記に示す結果が確認されました。
- より低い院内死亡率(6.1%対8.8%、p= <.001)
- より少ない血管合併症(4.3%対7.5%、p=.046)
- より少ない心臓合併症(5.6%対14.5%、p= <.001)
- より少ない呼吸器合併症(3.8%対9.8%、p= <.001)
- IABP使用患者と同程度の出血率(2.7%対2.8%、p=.581)
また傾向スコアマッチング(n=1,926)の結果でも、Impellaを使用した患者においてはIABPと比較して、下記の結果が示されました。
- より低い院内死亡率(3.5%対6.4%、p= <.012)
- より少ない血管合併症(3.4%対6.0%、p=.017)
- より少ない心臓合併症(3.4%対12.2%、p= <.001)
- より少ない呼吸器合併症(2.6%対6.1%、p=.001)
- IABP使用患者と同程度の出血率(2.6%対2.4%、p=.795)
研究者らによるデータの入手元は、米国最大の全保険者入院患者治療データベースである全米入院情報抽出(NIS)データベースです。NISは、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)との提携を通じて開発したもので、メディケアおよび民間保険者の約800万件の入院データを含みます。本研究の著者らは調査対象母集団、患者および病院の特徴、線形回帰モデルや傾向スコアのマッチングを含む統計解析に関連する方法を開示して詳述しました。
本研究の著者の1人でニューヨーク州マンハセットのザッカー・メディカルスクール(ホフストラ大学/ノースウェルヘルス)インターベンション心臓専門医科長を務めるPerwaiz Meraj医師(MD)は、次のように述べています。「本分析は、Impellaの使用は患者転帰を改善し、入院期間も短縮されることを実臨床データにより証明している一例です。もっともすぐれた診断と治療、および治療技術の選択は、より安全性で完全な血行再建を得ることができ、患者の転帰と生活の質を改善することができます。」
またAl-khadraらの論文では、Impella補助を受けた患者の方がIABP患者より入院期間が短いことが示されています(4日対5日、p= <.001)。この知見は、PROTECT IIランダム化対照試験(図2参照)や、Expert Review of Pharmacoeconomics & Outcomes Research誌に掲載されたMainiらの論文をはじめとした複数の査読付き論文の結果と一致するものです。Mainiらは6本の論文の知見と結論を検討し、Impella、特にImpella 2.5は、IABPと比較して入院期間が短縮することで、費用対効果が高いことを示しています。
本研究の著者の1人で、アトランタのノースサイド・ホスピタル心臓血管研究所のインターベンション心臓専門医と最高科学責任者(CSO)を務めるCindy Grines医師(MD)は、次のように述べています。「多くの高リスクPCI患者に見られる転帰悪化をもたらす併存疾患は、インターベンション心臓専門医を悩ませます。本論文は、高リスクPCIを実施する際にImpellaを使用する合理性を実証しています。Impellaによる左心室補助は、完全な血行再建を達成するために必要な、長時間または反復的な冠動脈拡張中の一過性低血圧時に対して、冠動脈かん流を維持することを可能にします。」
Al-khadra医師らの研究は、アビオメッドの資金援助や評価を受けておらず、研究者らが独自に実施したものです。研究実施施設はクリーブランド・クリニック、デトロイト医療センター、ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センター/ハーバード大学医学大学院、メドスター・ワシントン・ホスピタル・センター、セントジョン・ホスピタル&メディカル・センター、エモリー大学、ザッカー・メディカルスクール(ホフストラ大学/ノースウェルヘルス)、ヘンリー・フォード・ヘルス・システム、キール大学、ロイヤル・ストーク大学病院です。
アビオメッド(NASDAQ: ABMD)が製造するImpella心臓ポンプは、FDAの歴史の中で最も研究された循環補助装置で、10年以上に及ぶFDAの研究、14万人以上の患者に関する実臨床データ、650本以上の査読付き論文が存在します。
IMPELLA心臓ポンプについて
Impella 2.5®およびImpella CP®の各デバイスは、閉塞した冠動脈を再開通するためにステント留置術またはバルーン血管形成術などの待機的または緊急の経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける特定の進行性心不全患者の治療を目的として、米国食品医薬品局(FDA)より市販前承認(PMA)を取得している心内留置型ポンプです。Impella 2.5、Impella CP、SmartAssist®搭載Impella CP、Impella 5.0®、Impella LD®、SmartAssist®搭載Impella 5.5™は、心原性ショック状態にある急性心不全心筋症患者の治療に使用する心臓ポンプとして米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しており、心臓の自然な回復を可能にする独自の機能を有しているため患者さんが自分の心機能を回復させ帰宅することができます。Impella RP®は、右室不全および左心補助人工心臓の埋込、心筋梗塞、心臓移植、開胸手術後に発生する非代償性心不全の治療を目的として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。Impellaは、米国食品医薬品局(FDA)の歴史の中で最も研究された循環補助デバイスで、10年以上に及ぶFDAの研究、14万人以上の患者に関する実臨床データ、650本以上の査読付き論文が存在します。
欧州でImpella 2.5、Impella CP、SmartAssist搭載Impella CPは、高リスクPCIおよび心原性ショックショックを伴う急性心筋梗塞(AMI)の患者さんの最長5日間の治療を対象としてCEマークを取得しています。Impella 5.0およびImpella LDは、心原性ショックを伴う心臓発作または心筋症の患者さんの最長10日間の治療を対象としてCEマークを取得しています。SmartAssist®搭載Impella 5.5™は、急性心不全または心原性ショックを伴う心筋症の患者さんの最長30日間の治療を対象としてCEマークを取得しています。Impella RPは、右心不全および左心補助人工心臓埋込、心筋梗塞、心臓移植、開胸術後に発生する代償不全に陥った心不全の治療デバイスとしてCEマークを取得しています。
承認された適応症や、デバイスの使用に伴う重要な安全性・リスク情報を含め、Impella心臓ポンププラットフォームの詳細については、www.impella.comをご覧ください。
アビオメッドについて
米マサチューセッツ州ダンバースに拠点を置くアビオメッドは、循環補助デバイスのリーディングカンパニーです。当社製品は血行動態を改善し、心臓のポンプ機能を補助することで心筋の負担を軽減し、その回復を目指しています。詳細情報については、www.abiomed.comをご覧ください。
Abiomed、Impella、Impella 2.5、Impella 5.0、Impella LD、Impella CP、Impella RP、Impella Connectは、アビオメッドの登録商標で、米国および一定の外国で登録されています。Impella BTR、Impella 5.5、Impella ECP、CVAD Study、SmartAssistはアビオメッドが商標登録出願中です。
将来見通しに関する記述
本リリースは、アビオメッドの既存製品および新製品の開発、営業活動による企業としての成長、将来的可能性、および行政当局による承認の見込みに関する記述等の将来の見通しに関する記述が含まれます。当社の実績は多くの要因によりこの将来の見通しに関する記述の中で記載とは大きく異なる可能性があり、それらの要因には、開発、試験、関連行政当局による承認に伴う不確定要素(将来の損失の可能性を含む)、さらには将来的な損失が生じる可能性、複雑な製造工程、高品質に関する要件、限られた供給源への依存、競争、技術的変更、行政規制、訴訟問題、今後の資金需要と追加資金の不確実性に加え、直近に提出されたForm 10-Kの年次報告書とForm 10-Qの四半期報告書を含めた証券取引委員会に提出した当社の報告書に記載されたその他のリスクおよび課題が含まれます。利用者は、本プレスリリースの発表日時点に述べられている将来の見通しに関するいかなる記述についても過度に依拠することのないようお願いいたします。当社は、本プレスリリースの発行日以降に発生する事象、または予想外の出来事の発生によって、見通しまたは予測など、当社の将来の業績に関する見通しを更新し、または修正する義務を負うものではありません。これらの訂正は、本リリースの日付以降に発生する出来事や状況を反映させたり、予想外の出来事を反映させたりする場合に行われる可能性があります。
本プレスリリースは、米国アビオメッド・インクが現地時間2020年3月4日に発表した英文プレスリリースを日本語訳したものです。正式な言語は英語であり、日本に適応しない内容が含まれます。解釈は英語が優先されます。
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