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武田薬品が来るバーチャル学会で当社の幅広いオンコロジーポートフォリオと新たなパイプラインを浮き彫りにするデータを発表へ

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米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪

(ビジネスワイヤ) — 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)は本日、今後の2つのバーチャル学会、すなわち5月29~31日に開催される第56回米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO)および6月11~14日に開催される第25回欧州血液学会(EHA)バーチャル学会において、当社の拡大を続けるオンコロジーパイプラインと確立された製品ポートフォリオのデータを発表すると発表しました。

武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリストファー・アーレントは、次のように述べています。「武田薬品は、有効な治療選択肢がほとんど存在しないかまったく存在しない患者さんのニーズに医師らが対応する上で貢献し得る新製品の研究開発に傾倒しています。私たちは後期段階の化合物2種、pevonedistatとmobocertinib(TAK-788)のパイプラインデータを発表できることを心待ちにしています。いずれも未充足ニーズを満たし、患者さんの生活を改善して状況を変える治療薬となる可能性を持っています。加えて、当社の確立された血液/肺疾患医薬品のデータにより、適切な患者集団で当社製品を使用した際の有効性と安全性についての理解が深まります。」

発表する重要データは下記の通りです。

血液疾患フランチャイズ:

  • Pevonedistat:第2相Pevonedistat-2001試験の結果をASCOで口頭発表します。本試験では、pevonedistat+アザシチジンとアザシチジン単独の比較を高リスク骨髄異形成症候群(HR-MDS)、高リスク慢性骨髄単球性白血病(HR-CMML)、低芽球比率急性骨髄性白血病(LB-AML)の患者で検討しました。これらの患者は一般的に利用可能な治療薬に対する反応が限定的であるため、予後が不良となっています。特にHR-MDSについては10年以上にわたり、治療薬の前進による恩恵がありません。本第2相試験の結果は組み入れが完了した第3相PANTHER試験と共に、患者ケアの改善においてpevonedistatが成し得る効果を実証するはずです。また本データはEHAでのアンコール発表が受理されており、口頭発表を行います。
  • アイクルシグ(ICLUSIG®)(ポナチニブ):追跡期間が約21カ月に及ぶ第2相OPTIC試験の中間解析の結果を口頭発表します。本試験は前治療としてのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に抵抗性/不耐容の慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者における有効性と安全性の最適化を目的として、反応ベースのポナチニブ投薬計画を前向きに評価しています。本データもEHAで口頭発表します。OPTIC試験のデータに加え、第2相PACE試験の独立評価のデータを取り上げたポスターも、動脈閉塞イベントの発現率についての理解向上を目的として、本学会で発表します。
  • ニンラーロ(NINLARO)(イキサゾミブ):ASCOでは、第3相TOURMALINE-MM4試験(自家幹細胞移植(ASCT)を受けていない初発多発性骨髄腫患者で維持療法としてのニンラーロをプラセボと比較して評価)の結果をポスター発表します。TOURMALINE-MM4試験の知見はEHAでも口頭発表します。加えて、EHAでは、ボルテゾミブからニンラーロへの同クラス内の移行を行なった多発性骨髄腫患者での長期プロテアソーム阻害を評価する実臨床地域ベースUS MM-6研究の最新データを口頭発表します。インフルエンザ/肺炎球菌ワクチンステータスが多発性骨髄腫患者での感染、医療資源利用、死亡に及ぼす影響を評価するINSIGHT MM研究の結果をASCOとEHAの両方でポスター発表します。

肺疾患フランチャイズ:

  • ALUNBRIG®(ブリガチニブ):当社は一貫してALUNBRIGの臨床理解を深めており、未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子変異陽性(ALK+)進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、TKI未治療とTKI抵抗性の両条件でALUNBRIGを評価する2件のポスターを発表します。これらはファーストライン治療選択肢としてALUNBRIGを評価する進行中の第3相ALTA-1L試験のサブ解析と、第2世代ALK阻害剤で病状が進行した日本人患者でALUNBRIGを評価する第2相J-ALTA試験の一次解析です。
  • Mobocertinib:上皮成長因子受容体(EGFR)およびHER2のエクソン20挿入変異を選択的に標的とするように特別設計したTKIであるmobocertinibに関するデータをポスター発表で取り上げます。このポスター発表は、EGFRエクソン20挿入変異を持つ難治性NSCLC患者においてmobocertinibと実臨床治療選択肢の効果を比較評価するものです。

武田薬品がスポンサーとなってASCO 2020で発表が受理されたアブストラクト11本とEHA 2020で受理されたアブストラクト22本は、下記の通りです。

2020年ASCO年次総会:

全発表は5月29日(金)午前8:00時(東部標準時)からASCOウェブサイトにてオンデマンド視聴が可能となります。

Pevonedistat

アイクルシグ(ポナチニブ)

多発性骨髄腫/ニンラーロ(イキサゾミブ)/TAK-079

ALUNBRIG(ブリガチニブ)

Mobocertinib(TAK-788)

TAK-228

第25回EHA大会

Pevonedistat

アイクルシグ(ポナチニブ)

多発性骨髄腫/ニンラーロ(イキサゾミブ)

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)について

アドセトリスについて

アドセトリスは、シアトル・ジェネティクスの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させた抗体薬物複合体(ADC)です。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。

静脈内注射用のアドセトリス注射剤はFDAより、成人患者を対象に6件の適応症で承認を取得しました。これらの適応症は(1)未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)、CD30発現末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、その他の特定不能のPTCLを含む、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンとの併用)、(2)未治療のステージ3/4古典的ホジキンリンパ腫(cHL)(ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用)、(3)自家造血幹細胞移植(自家HSCT)地固め療法後に再発ないし進行のリスクが高いcHL、(4)自家HSCTが失敗した患者か、自家HSCTの候補でない患者で過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者でのcHL、(5)過去の1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した後のsALCL、(6)過去に全身療法を受けている患者での原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症、となります。

カナダ保健省はアドセトリスに対し、2013年に再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として条件付き承認を与えました。無条件承認は、2017年に再発ないし進行のリスクを持つホジキンリンパ腫患者の自家幹細胞移植(ASCT)後の地固め療法に、2018年に過去に全身療法を受けているpcALCLまたはCD30発現MFの成人患者を適応に、2019年にドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用で未治療のステージ4成人ホジキンリンパ腫患者を適応に、2019年にシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンとの併用で腫瘍がCD30を発現しているsALCL、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)の未治療成人患者を適応に与えています。

アドセトリスは欧州委員会より、条件付きの市販承認を2012年10月に取得しました。これらの欧州で承認された適応症は、(1)ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用で未治療のCD30陽性ステージ4ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(2)ASCT後、再発ないし進行のリスクが高いCD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(3)ASCT後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(4)再発性または難治性の成人sALCL患者の治療、 (5)過去に少なくとも1種類の全身療法を受けているCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者の治療、となります。

アドセトリスは日本で2014年1月に再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびALCLを適応症として初の承認を取得し、2018年9月にドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用で未治療のホジキンリンパ腫を、2019年12月に末梢性T細胞リンパ腫を適応症として承認を取得しました。アドセトリスは2019年12月に、小児における再発性ないし難治性ホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫の治療に対する用法・用量の追加承認を取得しました。日本における添付文書の承認済み適応症は現時点で、CD30陽性のホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫患者の治療と記載されています。

アドセトリスは再発性/難治性ホジキンリンパ腫とsALCLを適応に70を超える国と地域で規制当局より市販承認を取得しています。枠組み警告を含め、下記の重要な安全性情報をご覧ください。

アドセトリスは70件以上の臨床試験で広範な評価を受けています。これらの試験には、ホジキンリンパ腫に対するファーストライン治療としての第3相試験(ECHELON-1)、CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫に対するファーストライン治療としての別の第3相試験(ECHELON-2)、その他多種類のCD30陽性悪性腫瘍を対象とした試験が含まれます。

シアトル・ジェネティクスと武田薬品はアドセトリスを共同開発しています。提携契約の条件に従い、シアトル・ジェネティクスは米国とカナダでアドセトリスを商業化する権利を保有し、武田薬品は世界のその他の地域で商業化する権利を保有します。シアトル・ジェネティクスと武田薬品は、アドセトリスの開発費を50対50の割合で共同負担していますが、例外的に日本における開発費に関しては武田薬品が単独で責任を負っています。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(欧州連合向け)

処方に先立ち、製品概要(SmPC)をご参照ください。

禁忌

ブレンツキシマブ・ベドチンおよびその賦形剤に対し過敏症を示す患者に対するアドセトリスの使用は禁忌となっています。またブレオマイシンとアドセトリスの併用は肺毒性をもたらします。

特別な警告および注意

進行性多巣性白質脳症(PML):アドセトリスによる治療を受けた患者で、進行性多巣性白質脳症(PML)および死亡をもたらすジョン・カニンガム・ウイルス(JCV)の再活性化が起こることがあります。複数の化学療法レジメンを受けた後にアドセトリスを投与された患者でPMLが報告されています。PMLは潜伏JCVの再活性化がもたらす希少な中枢神経系の脱髄疾患で、多くの場合に致死性となります。

神経・認知・行動関連でPMLを示唆する兆候・症状の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。PMLの評価法として提案されているものには、神経科医による診察、脳のガドリニウム増強核磁気共鳴画像法、ポリメラーゼ連鎖反応によるJCV DNAの脳脊髄液分析、JCVの所見がある場合の脳生検が含まれます。JCV PCR陰性はPMLの可能性を排除するものではありません。別の診断が確定しない場合、追加的な観察と評価が必要となる場合があります。PMLが疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、PMLの診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止します。患者が気づかない可能性があるPMLの症状(例:認知・神経・精神の症状)に注意します。

膵炎:アドセトリスによる治療を受けた患者で、急性膵炎が観察されています。致死的転帰が報告されています。急性膵炎を疑わせる腹痛の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。患者の評価には身体診察、血清アミラーゼと血清リパーゼのラボ検査、超音波など腹部画像検査、その他の適切な診断法があり得ます。急性膵炎が疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、急性膵炎の診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。

肺毒性:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含め、致死的転帰を伴う場合がある肺毒性の症例が報告されています。アドセトリスとの因果関係は確立していませんが、肺毒性のリスクは排除できません。肺症状(例:咳、呼吸困難)の新規発症や悪化があれば、直ちに適切な評価と治療を行います。評価中および症状が改善するまでは投与の保留を検討します。

重篤感染および日和見感染:アドセトリスによる治療を受けている患者で肺炎、ブドウ球菌血症、敗血症/敗血症性ショック(致死的転帰を含む)、帯状疱疹、サイトメガロウイルス(CMV)(再活性化)などの重篤感染と、ニューモシスチス・イロベチ肺炎や口腔カンジダなどの日和見感染が報告されています。重篤感染および日和見感染の発生可能性につき、治療中は患者を注意深くモニタリングします。

注入に伴う反応(IRR):即時型および遅延型のIRRと、アナフィラキシーがアドセトリス投与で報告されています。患者を注入時と注入後に注意深くモニタリングします。アナフィラキシーが発生した場合、アドセトリス投与を即時・永続的に中止し、適切な治療を施します。IRRが発生した場合、注入を中断して適切な医療管理を行います。注入は症状が解消してから速度を落として再開することも可能です。IRRを過去に経験している患者は、その後の注入に備えて準備投薬する必要があります。IRRはアドセトリスに対する抗体を持つ患者ほど頻度と重症度が高くなっています。

腫瘍崩壊症候群(TLS):アドセトリス投与でTLSが報告されています。腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者はTLSのリスクがあります。これら患者は密にモニタリングし、最適な医療に基づいて管理します。

末梢神経障害(PN):アドセトリスによる治療は感覚神経障害、運動神経障害の両神経障害をもたらす場合があります。アドセトリス誘発性PNは一般的にアドセトリスへの曝露が蓄積する結果としてもたらされ、ほとんどの症例において可逆的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱など神経障害の症状につき、患者をモニタリングします。PNの新規発症や悪化を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量削減、中止が必要となる場合があります。

血液毒性:グレード3ないし4の貧血、血小板減少症、長期(1週間以上)のグレード3ないし4の好中球減少症がアドセトリスで発生する場合があります。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングします。

発熱性好中球減少症:アドセトリス投与で発熱性好中球減少症が報告されています。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングします。患者を発熱につき密にモニタリングし、発熱性好中球減少症が発症した場合は最適な医療に基づき管理します。

AVDとの併用でアドセトリスを投与する場合、すべての患者で初回投与からG-CSFによる一次予防の実施が推奨されます。

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):アドセトリス投与でSJSおよび中毒性表皮壊死症(TEN)が報告されています。致死的転帰が報告されています。SJSまたはTENが発症した場合、アドセトリスによる治療を中止し、適切な治療を施します。

消化管合併症:アドセトリス投与で腸閉塞イレウス、腸炎、好中球減少性大腸炎、びらん、潰瘍、穿孔、出血を含め、致死的転帰を伴う場合がある消化管合併症が報告されています。消化管症状の新規発症や悪化があれば、直ちに評価して適切な治療を施します。

肝毒性:アドセトリス投与でアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が報告されています。肝毒性の重篤な症例(致死的転帰を含む)も発生しています。既存の肝疾患、併存疾患、併用薬もリスクを増大させる可能性があります。治療開始に先立って肝機能を検査し、治療中は検査値の上昇につき定期的にモニタリングします。肝毒性を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。

高血糖症:試験では糖尿病の病歴有無にかかわらず肥満指数(BMI)の高い患者で高血糖症が報告されています。高血糖イベントを経験した患者は全員、血清グルコースを密にモニタリングします。糖尿病治療を適宜開始します。

腎・肝障害:腎・肝障害を抱えた患者における経験は限られています。入手できるデータは、MMAEクリアランスが重度の腎障害および肝障害と、低い血清アルブミン濃度による影響を受ける可能性があることを示しています。

CD30陽性CTCL:菌状息肉腫(MF)および原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)以外のCD30陽性CTCLサブタイプでの治療効果の程度は、高レベルの証拠が不足しているため明らかではありません。アドセトリスの2件の単群第2相試験では、セザリー症候群(SS)、リンパ腫様丘疹症(LyP)、混合組織型CTCLの各サブタイプで疾患活動性が示されました。これらのデータは、有効性と安全性が他のCD30陽性CTCLサブタイプに外挿できることを示しています。CD30陽性CTCLの他の患者タイプでは、患者ごとにベネフィットとリスクを慎重に検討して注意を払います。

賦形剤におけるナトリウム量:本医薬品は1バイアル当たり13.2 mg(WHOが推奨する成人1人当たりの最大1日摂取量である2 gの0.7%に相当)のナトリウムを含みます。

薬物相互作用

強力なCYP3A4阻害剤やP-gp阻害剤をアドセトリスと併用している患者は、好中球減少症のリスクが高まる可能性があります。好中球減少症が発生した場合、好中球減少症に対する推奨投与法(SmPCの4.2項)を参照してください。アドセトリスとCYP3A4誘導剤の同時投与はアドセトリスの血漿中濃度を変えませんでしたが、アッセイで検出され得るMMAE代謝産物の血漿中濃度の低減をもたらすと思われます。アドセトリスはCYP3A4酵素によって代謝される薬物への曝露に変化をもたらすとは考えられません。

妊娠:妊娠の可能性がある女性は、アドセトリスによる治療を受けている期間と治療後6カ月目までは2種類の効果的な避妊法を取るよう助言します。アドセトリスの妊婦での使用に関するデータは存在しませんが、動物試験で生殖毒性が示されています。母体に対するベネフィットが胎児に対する潜在的リスクを上回る場合を除き、アドセトリスを妊娠中に使用してはなりません。

授乳(母乳育児):アドセトリスまたはその代謝産物が母乳中に排泄されるかどうかを示すデータは存在しませんので、新生児/乳児に対するリスクは排除できません。潜在的リスクがあるため、母乳育児を中止するかアドセトリスによる治療を中止/自制するかを決断する必要があります。

生殖:非臨床試験でアドセトリスによる治療は精巣毒性をもたらしているため、男性の生殖能力を変化させる可能性があります。アドセトリスによる治療を受けている男性には、治療期間中と最後の投与から最長6カ月後までは子供をもうけないように助言します。

運転および機械操作の能力に対する影響アドセトリスは、運転および機械操作の能力に対し中等度の影響を及ぼす可能性があります。

副作用

単剤療法:最も発生頻度が高かった(10%以上)有害反応は、感染症、末梢感覚神経障害、悪心、疲労、下痢、発熱、上気道感染、好中球減少症、発疹、咳、嘔吐、関節痛、末梢運動神経障害、注入に伴う反応、そう痒、便秘、呼吸困難、体重減少、筋肉痛、腹部痛でした。重篤な薬物有害反応は患者の12%で発生しています。特異的な重篤薬物有害反応の発生頻度は1%以下でした。有害事象は患者の24%で治療中止につながりました。

併用療法:未治療の進行期HL患者662人を対象にアドセトリスとAVDの併用療法を検討する試験で、最も発生頻度が高かった有害反応(10%以上)は、好中球減少症、悪心、便秘、嘔吐、疲労、末梢感覚神経障害、下痢、発熱、脱毛症、末梢運動神経障害、体重減少、腹部痛、貧血、口内炎、発熱性好中球減少症、骨痛、不眠症、食欲減退、咳、頭痛、関節痛、背部痛、呼吸困難、筋肉痛、上気道感染、アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇でした。重篤有害事象は患者の36%で発生しました。患者の3%以上で発生した重篤有害事象には発熱性好中球減少症(17%)、発熱(6%)、好中球減少症(3%)が含まれます。有害事象は患者の13%で治療中止につながりました。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(米国向け)

枠囲み警告:進行性多巣性白質脳症(PML):

アドセトリスによる治療を受けている患者で、PMLおよび死亡をもたらすJCウイルス感染が発生する場合があります。

禁忌

アドセトリスとブレオマイシンの併用は、肺毒性(例えば間質浸潤もしくは炎症またはその両方)を理由に禁忌となっています。

警告および注意

  1. 末梢神経障害(PN):アドセトリスは、感覚優位の末梢神経障害を引き起こします。末梢運動神経障害の症例も報告されています。アドセトリス誘発性末梢神経障害は蓄積的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などの症状につき、モニタリングします。投与量を適宜修正します。
  2. アナフィラキシーおよび注入反応:アナフィラキシーを含め、注入に伴う反応(IRR)がアドセトリスで発生しています。注入中は患者をモニタリングします。IRRが発生した場合は注入を中断し、適切な医療管理を行います。アナフィラキシーが発生した場合は注入を即時・永続的に中止し、適切な医療を施します。IRRを過去に経験している患者は、次の注入に先立って前投薬を行います。前投薬として可能なものには、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモンが含まれます。
  3. 血液毒性:発熱性好中球減少症の致死的ないし重篤な症例がアドセトリスで報告されています。長期(1週間以上)の重度好中球減少症およびグレード3ないし4の血小板減少症または貧血がアドセトリスで発生する場合があります。

    未治療のステージ3/4のcHLまたは未治療のPTCLの治療で化学療法との併用でアドセトリスを投与する場合、第1サイクルからG-CSFによる一次予防投与を開始します。

    アドセトリスの投与に先立ち、全血球計算値をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発症している患者ではモニタリング頻度を増加します。発熱に関し患者をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発生した場合、投与延期、投与量削減、投与中止、G-CSF予防投与後の投与を検討します。

  4. 重篤感染と日和見感染:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺炎、菌血症、敗血症ないし敗血症性ショック(致死的転帰を含む)が報告されています。治療中は細菌・真菌・ウイルス感染につき、患者を密にモニタリングします。
  5. 腫瘍崩壊症候群:腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者は、密にモニタリングします。
  6. 重度腎障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な腎機能の患者と比較して重度の腎障害を持つ患者で高くなっていました。重度の腎障害を持つ患者では使用を避けます。
  7. 中等度から重度の肝障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な肝機能の患者と比較して中等度から重度の肝障害を持つ患者で高くなっていました。中等度から重度の肝障害を持つ患者では使用を避けます。
  8. 肝毒性:致死的症例および重篤症例がアドセトリスによる治療を受けた患者で発生しています。それらの症例は肝細胞障害と一致するもので、トランスアミナーゼもしくはビリルビンまたはその両方の上昇を含み、アドセトリスの初回投与または再投与後に発生しています。既往症の肝臓疾患の存在、ベースラインにおける肝酵素の上昇、併用薬はリスクを高める可能性があります。肝酵素とビリルビンをモニタリングします。肝毒性が新規発症、悪化、再発した患者ではアドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
  9. PML:アドセトリスによる治療を受けた患者でPMLをもたらす致死的なJCウイルス感染と死亡

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