ニューヨーク & ロンドン
(ビジネスワイヤ) — 炎症/腫瘍適応症向け革新的治療薬の創薬・開発に傾注するバイオテクノロジー企業のティジアナ・ライフ・サイエンシズ(Nasdaq: TLSA / AIM: TILS)は、進行中の第2a相臨床試験(CDKO-125A-010)の患者組み入れが完了したことを発表します。本試験は期間6カ月の単群反復投与試験で、ソラフェニブ難治性/抵抗性の切除不能/転移性肝細胞がん患者におけるMilciclibの安全性・忍容性・抗腫瘍活性を検討することが目的です。イタリア、ギリシャ、イスラエルで実施中の本多施設試験のトップラインデータは、2019年第2四半期に得られます。
当社が既に報告した通り、治療開始から6カ月後の最初の患者10人を対象とする中間解析データは、Milciclib(100 mgを1日1回。4週を1サイクルとし、1週のうち4日間投薬、3日間投薬休止)はこの肝細胞がん患者集団において良好な忍容性を示しました。独立データモニタリング委員会(IDMC)の判断に基づき、忍容性の懸念についての重大な兆候はないとの結論が下され、IDMCは本試験の患者組み入れ継続を許可しました。6カ月の治療完了後、患者3人が例外的使用制度の下で治療継続を選択しました。注目すべき点として、患者1人が依然として14カ月目の治療を継続しており、その他の患者2人がそれぞれ9カ月目と13カ月目まで治療を受けました。
肝細胞がんについて
肝細胞がんは世界で5番目に多いがんで、がん死亡の原因としては3番目となっています。2007年に欧州医薬品庁(EMA)と米国食品医薬品局(FDA)が数種類の受容体型チロシンキナーゼを阻害するソラフェニブ(ネクサバール)を肝細胞がん治療薬として承認したことで、局所療法や外科療法が不向きな患者の転帰を改善するための初の全身療法となり、本疾患の新たな標準治療法を生み出しました。ただし、プラセボと比較しての有意性はあるものの、ソラフェニブの利点はわずかであり、奏功率は3%未満で、生存期間中央値の改善は2~3カ月となっており、薬剤に伴う症状も通常とは異なります。肝細胞がんの病因は複雑で多因子が関与するため、切除不能の進行性がんを持つ治療未経験患者、治療処置(切除、焼灼、移植)後に再発した患者の両方にとっての有効性と安全性を改善するためには、異なるシグナル伝達系を標的とする全身療法が必要となります。
Milciclibについて
Milciclib(PHA-848125AC)は、CDK1、CDK4、CDK5、CDK7など数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を標的とする低分子阻害剤です。CDKはセリン/スレオニンキナーゼとして、細胞周期がG1期からS期へ進行する際に不可欠な役割を果たします。CDKや、細胞周期を制御するその他の下流シグナル伝達経路の過剰発現は多くの場合、化学療法剤への抵抗性を発現することにつながります。第1相研究において、Milciclibの経口投与は忍容性が良好で、本医薬品はNSCLC、膵がん、結腸がん、胸腺がん、胸腺腫などの進行性固形腫瘍の患者に対する有望な臨床反応を示しました。さらに、Milciclibは胸腺がんと胸腺腫の患者が参加する2件の別々の第2相多施設臨床試験(CDKO-125A-006:患者72人、CDKO-125A-007:患者30人)で主要評価項目を達成しました。
ソラフェニブについて
ソラフェニブ(バイエルとオニキス・ファーマシューティカルズがネクサバールとして共同で開発・販売)は低分子のマルチチロシンキナーゼ阻害剤として、原発性腎臓がん(進行性腎細胞がん)、肝細胞がん、放射性ヨウ素抵抗性進行性甲状腺がんの治療薬として承認されています。ソラフェニブ治療は自食作用を誘導して、これが腫瘍成長を抑制し得るものとなります。ただし、自食作用が薬剤抵抗性も引き起こすことがあります。
ティジアナ・ライフ・サイエンシズについて
ティジアナ・ライフ・サイエンシズは英国のバイオテクノロジー企業として、腫瘍および免疫のヒト疾患を治療するための新規分子の創薬と開発に傾注しています。Milciclibに加え、当社は肝臓疾患のためのForalumabも開発しています。Foralumabは世界で臨床開発されている唯一の完全ヒト化型抗CD3モノクローナル抗体です。第2相試験で検討している本化合物は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性胆汁性胆管炎(PBS)、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、1型糖尿病(T1D)、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、関節リウマチなど、広範な自己免疫疾患および炎症性疾患へ適用できる可能性があります。これらの疾患はT細胞応答の調節が望ましい疾患です。
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